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山漬け
「山漬け」は、普通の塩サケとは違い、熟成に日数をかけてサケ肉の旨みを引き出す古来からの製造方法です。「山漬け」は、多量の塩を魚体に散布し、莚(むしろ)でおおい10層~20層に山形に積み上げ、上部に重石(おもし)をあて加圧塩漬けします。このことから「山漬け」と呼ばれるようになりました。工程に手間隙のかかることやサケをひっくり返し積み直す「手返し」という工程など世話のかかることから、労力がかかりすぎるあまり大量には作れません。そのため、「山漬け」は広く流通せず、地元の漁民や「山漬け」を求める舌の肥えた食通たちの間でしか話題にならなかった塩サケです。漬け時間の長短によって魚体の塩分を加減し、身のしまり具合の良さや、旨みの熟成加減を微妙に調整します。
山漬けの加工方法
製造加工方法は各製造業者によってさまざまな工夫があり、微妙に異なりますが、ここでは、一般的な山漬けの製法をご紹介します。(「北の水産加工事典」監修:中村全良 北日本海洋センターより)
1、製法フローチャート
原料→エラ取り→腹切り→内臓・精卵除去→洗浄→水切り→山漬け→洗浄→箱詰め→冷凍
水切りの終わったサケは頭膣部と腹膣部に食塩を挿入し、眼球や尾びれにも食塩をすり込みます。また、魚体表面にも尾部から頭部に向けて強くすりこみ、魚体がかくれる程度の合塩をふりかけ一匹一匹、層状に積み上げていきます。サケの層が10~20層になった段階で、止め塩として合塩を多量に散布してから、重石で加圧します。重石の重量はサケの重量に対して10~20%程度を目安にします。
2、山漬け時間
おおむね24時間漬け(一晩漬け)、48時間漬け(二晩漬け)、72時間漬け(三晩漬け)の3段階で出荷されます。そろぞれ魚体中の塩分分布が異なります。

(1)一晩漬け
腹須部分3%、胴体皮下部分1%、魚体中心部0~0.1%

(2)二晩漬け
腹須部分6%、胴体皮下部分1.3%、魚体中心部0~0.3%

(3)三晩漬け
腹須部分8%、胴体皮下部分1.5%、魚体中心部0.3~0.5%

以上のように意外に食塩浸透が少ないのが本法の特徴です。このほか1週間~10日間漬け込むこともあり、この間に魚体の熟成が進みサケ特有の旨みがでてきます。
3、洗浄
山漬けの終わったものは余分な食塩を取り除き水洗いします。
4、箱詰め
必要量を秤量して箱詰めしますが、このとき食塩を装飾的に魚体表面に散布する場合もあります。
※ 山漬けの中には、塩抜きし、風干工程を経て更に熟成させるものもあります。
塩蔵法について
塩蔵法は魚介類などを食塩によって防腐する方法であり、古くから用いられてきました。その防腐性は主として食塩の浸透作用によって起こる脱水によるとされ、食塩そのものには大きな防腐性はありません。
一般に微生物や酵素の活性は、含水率60~65%以下でかなり低下します。ですから魚介類に防腐性を与えるには少なくとも10%以上の食塩を添加する必要があり、最近の減塩志向には不向きとなってきています。現在は冷凍や冷蔵を併用することにより貯蔵性を保持するようになってきました。塩蔵の目的が貯蔵性から嗜好性に変わりつつあります。
塩蔵の方法は大きく「塩水漬け」と「散塩漬け」に分けられます。「塩水漬け」の特徴は、均一に食塩の浸透ができ外観がきれいであること、また食塩水の酸素の溶存性が小さいため酸化しづらい等があげられます。
一方、「散塩漬け」の特徴は脱水作用が急速に行われるので、初期の防腐においては塩水漬けより優れ、また作業や操作が極めて簡便にできるというメリットがあります。
(注)塩水漬けは立塩漬け、散塩漬けはふり塩漬けともいいます。
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